(え、と私が聞き返すと、目の前でパンケーキをつつく蜜璃さんは笑って続けた。)

ほら、知らない風景とか昔の景色をよく夢に見る場合、前世の記憶だったりするって聞いたことがあるもの!
きっと、素敵な人と一緒に居たのね!

(うーん、どうなんでしょう。それじゃ、もうこの世界では会えないのかな……。)
(そう呟くと、蜜璃さんは最後の一口を食べてフォークを置く。)

……ふふ。そんなに大切な人なら、きっとこの世界でも会えるわよ!
前世からの想い人とか素敵じゃない!?
案外すぐ側にいるかもしれないわよ!

(……蜜璃さんは、前世とか、信じてるんですか?)
(私は、そんなに現実味がないけど……。)
(本とかテレビではたまに見かけるけど、自分の話となるとあまり実感が湧かない。)

……私は信じてるわ。
こんなこと、あまり人には言えないけど……。
だって、前世でも大切だった人達とまた一緒に過ごせるなら、それ以上素敵なことはないと思わない?

(そう言って、蜜璃さんは花が綻ぶように笑った。)

ほら、○○ちゃんも明日からキメツ学園に入学するのよね!
これで私も近所のお姉さんから先輩に格上げね!
同じ時期に通えなかったのは残念だけど……。
知ってる先生もいるし、私の後輩もまだ通ってるから困ったことがあったら言ってちょうだい!
……きっと、○○ちゃんにとって素敵な学園生活になると思うわ。

(……はい、)


→入学式
『それは、もしかしたら前世の記憶かもしれないわよ?』