気が付くと、私は師範の屋敷の中庭に立っていた。昨日感じたはずの違和感は、少しも感じない。ここにいることが当たり前のように、なんの疑いも無く師範の姿を探した。

(あ……、いた。師範!)

縁側に座る師範に駆け寄ると、師範はこちらをぼーっと眺めた後首を傾げた。

『? 君誰だっけ?』
『それに僕は師範なんて名前じゃないし、弟子も取ってないと思うよ。』

(お疲れ様です、○○と申します。)
(昨日お会いして、屋敷に泊めていただいていたんです。)

『……そうだっけ、』
(ふふ、そうですよ。師範というのは、そう私が呼びたいので。いいですか?)
『別に何でもいいよ。好きにすれば。』


(それでは、今日もよろしくお願いします。)


☆2日目朝