しのぶ:…それは心の底からの本心だったと思います。
彼の死に顔を覚えていませんか?あんなに穏やかで…まるで眠っているようでした。
よく見せてくれた、とても穏やかな寝顔のような死に顔
●●君は見栄っ張りで意地っ張りで…カッコつけてばかりの人でした。
きっと貴方達に心配かけまいと最後まで無理してかっこつけたかったのかもしれません…本当は甘えん坊で寂しがり屋で泣き虫なのに、いっつも無理ばかりして、やせ我慢しながら自分を取り繕ってました。
でも、善逸君が彼の思いを全て吐き出させてくれたから、本当の自分をさらけ出すことができて彼は死を受け入れて逝くことができたんだと思います。
だから、あまり背負わないでください。彼もそんなこと望んでいません…
善逸:しのぶさん…
しのぶ:全部話してくれてありがとうございます。
善逸:ごめんなさい…隠してて、●●さんが言ってたんです、しのぶさんには泣いて欲しくないって…これを話しちゃうとしのぶさんを余計に悲しませることになると思って俺…
しのぶ:大丈夫です、私はそんなに簡単に泣いたりしません。誰かさん達と違って、ね?
さて、私はまだまだ片付けが残っているので失礼します。
(片付けと言ったが●●の部屋とは逆方向に向かうしのぶ)
善逸:しのぶさん…?あっちは確か
(仏間 ●●の骨壺に話しかけるしのぶ)
しのぶ:聞きましたよ、最後の最後まで後輩に苦労を掛けたみたいですね。貴方らしい最後と言えば最後ですが…
なんだか実感がわかなかったんです、貴方が死んだなんて
遺体を見ても、遺骨を骨壺に納めても…潔い死に様なんて貴方らしくなかったから…思えば貴方の死を受け入れたくなかったのかもしれません。
でも善逸君の話を聞いてやっと実感できたんです。
貴方が最後まで生きたいと願っていたこと、最後まで私と生きようしてくれたと知って…ああ本当に貴方は死んでしまったんですね。
私に泣かないで欲しい、貴方の最後の願いを無碍にしてしまいますね。
泣かないでなんて…無理…ですよ。ごめんなさい…ごめん、●●…
今は泣かせて…今だけ……今だけだから…
(嗚咽を漏らし涙するしのぶの声は善逸の耳に届いていた)
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