一人書類仕事をしていると●●君が訪ねてきた
しのぶ:こんな夜中にどうしました?
●●:いや…しのぶこそまだ起きてたのか
しのぶ:まだ仕事が残っていましたので…もう終わります。●●君こそ竈門君達の訓練に付き合ってたんじゃないんですか?
●●:良い子たちはもう寝かせたよ、明日もあるし寝る子は育つって言うだろ?
しのぶ:貴方はいいんですか?
●●:俺は悪い子だからいいの
なにか企んでいる…彼の顔を見たらすぐに分かった。
しのぶ:それにしても…こんな夜更けになんの用なんですか?なにを企んでいるのか知りませんが…蝶屋敷では変なことをしないでくださいね。
●●:今日は何もしないよ。
その言葉は全く信用できなかったが、早く仕事を終えたかったので取り敢えず彼のことは後回しにした…いくら●●君でも蝶屋敷で変なことはしてこない…はず
私が仕事をしている間、彼は思いのほか大人しくしていたが、なにかそわそわしているようにも感じた…
そうこうしているうちにすべての仕事を終え、少し背伸びをすると彼は嬉しそうな声で訪ねてきた
●●:終わった?
しのぶ:はい、今日の分は終わりました。
●●:お疲れ様…少し過ぎちゃったけど…
そう言うと彼は私を後ろから抱きしめてきた
しのぶ:今日は何もしないんじゃなかったんですか?
●●:もう日付過ぎてるよ……しのぶ、誕生日おめでとう
しのぶ:えっ…ああ、そう言えば…今日でしたね。
●●:やっぱり忘れてた。
しのぶ:…誕生日なんて祝われても喜ぶような歳じゃありませんよ。
●●:そっか…でも、俺は祝うよ。大切な人が産まれてきたくれた日だから
また恥ずかしいことを言う…カッコつけてるつもりかもしれないけど顔赤くしちゃって…
でも…多分私も同じくらい赤くなっている気がする…恥ずかしい、けどとても嬉しい。大切な人が祝ってくれるのだ嬉しくない訳がない
しのぶ:そうですか、ありがとうございます。ねぇ●●君、お祝いは言葉だけですか?
●●:ちゃんと品物も用意してるよ、でも…アオイ達も何かあるはずだから抜け駆けするわけにもいかないし、夜が明けてから渡すよ。
しのぶ:…でも、私は今欲しいです。
●●:いや…でも
しのぶ:ください…●●
そう言って、私を抱いていた彼の腕を外し彼に向き合いながら腕を広げ目を閉じた
私の意図をくみ取ったのか彼は何も言わずに私の手を取り抱きしめ唇を重ねようと顔を近づけてきた…
ので、唇が重なる寸前に私は人差し指を彼の唇に当てた
●●:えっ?
しのぶ:お・あ・ず・けです♪
●●:こ、ここまできて?!
しのぶ:はい♪貴方のその顔を見ることが出来て大変満足です。
●●:…意地悪
しのぶ:ふふっ♪ごめんなさい…でも、本当にしてしまうとお互い我慢できなくなっちゃうでしょ?だから今回はここまでです、この続きはまた今度…ね?
●●:来年までとか言わないよな?
しのぶ:流石にそんなに先まで待たせませんよ。
●●:ホントか~
しのぶ:ホントですって、信じてください
楽しい…彼と他愛ない会話は本当に楽しくて……こんな時間がずっと続いて欲しいと思ってしまう。
でも…多分駄目なんだ、こんなに楽しい時間はずっとは続かない…だから、そう…だからこそこの時間を大切にしたい
しのぶ:●●君…私はたぶん来年も自分の誕生日を忘れていると思うので
●●:あぁ…来年も、その次もずっと俺が覚えてる…だから来年も再来年も祝うよ。
しのぶ:はい…お願いします……その前に私も貴方の誕生日になにか用意しないといけませんね。
●●:期待して待ってるよ。
しのぶ:はい、あまり期待せずに待っててください。
私も…貴方という大切な人が産まれてきてくれた日を何度でも祝いたい
誕生祝い