彼が死んでから毒を飲む量が増えた
以前はどこか後先を考えていた
この手を使わなくても姉さんの仇を取れるかもしれない…二人ならもしかしたら…
そうなった時、●●君と一緒に生きられるかもしれない
結婚して夫婦になって…子供が産まれ、二人で悪戦苦闘しながら子育てをして
二人で生きて二人で老いて…そんな未来を夢見ていた
でも、もうそんな未来は永遠に訪れない…彼は死んだ
ただ死んだだけじゃない、殺されたんだ惨たらしい方法で自らの頸を斬らせるという方法で…
姉さんの願いだった鬼と仲良くすることは…もう、無理だ
私には…もう出来ない
鬼は殺す、絶対に殺す
全部…人を傷つける鬼は総て…
そのために私に出来ることは何でもする、毒の摂取でどんな副作用が出ても構わない
どんなに苦しくても辛くても…せめてカナヲの為に
私に残された家族たちの為に私に出来ることは…
姉さん、●●…もう少しだけ待ってて、私頑張るから…私達の家族の為に頑張るから
だから…終わったら、また一緒に暮らせるよね?
蟲毒の願い