しのぶ:どう、でしょうか
●●:よく似合ってるよ、髪型も変えたんだ
しのぶ:これ、貴方に頂いた簪…たまには使わないと勿体ないですから
●●:うん…そっちもよく似合ってる。
しのぶ:ありがとうございます……あっ、そろそろ始まりますね。
●●:うん?
(遠くからどーんっと花火の音が聞こえる)
●●:あぁ…花火か、屋根に上れば見えたよな、行こっか
しのぶ:はい…
(庭に出ると、ひょいっとしのぶをお姫様抱っこする●●)
しのぶ:ちょっと…●●君
●●:激しく動いて着崩れたら大変だからね、屋根には俺が運ぶよ
しのぶ:それならそうと、最初にそう言ってください
(しのぶを抱えたまま屋根に飛び乗る●●)
●●:っと、大丈夫?
しのぶ:えぇ、大丈夫です…あっ、花火よく見えますね
●●:ほんとだ…ちょっと小さいけど充分だな。
(屋根に腰掛け、花火を見ていたがふと、しのぶの横顔を見る●●)
しのぶ:どこ見てるんです?せっかくの花火なのに見ないと勿体ないと思いますが?
●●:せっかくの花火に照らされたしのぶを見ない方が勿体ないよ。
しのぶ:今日はどうしたんです?恥ずかしいことばかり言って…
(花火に照らされているからなのかもしれないが、●●の目には僅かにしのぶの頬が赤らんで見えた)
●●:さぁ…そういう気分なんじゃないかな
しのぶ:そうですか……
(ちらりと横目で●●を見るしのぶ)
しのぶ:花火に照らされた貴方も…なかなか男前に見えますよ。
●●:またまた…今日のしのぶは口がお上手ですね、なにかあったの?
しのぶ:さぁ…そういう気分…なんじゃないですか?
●●:そっか…
(しのぶの肩を抱き静かに唇を重ねる●●)
しのぶ:…もう、こんなところ誰かに見られたらどうするんです
●●:誰も見てないよ、みんな花火を見てる…
しのぶ:貴方は見てませんよ
●●:俺は…俺だけが見ることのできる、もっと綺麗な華を見ているから…
しのぶ:見るだけじゃないくせに
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