彼も毒を飲んでいるのを知っていた…
私がしていることを知っていたのを知っていた。
彼に話さなかったのは、彼に話せば決心が揺らぐから…それに彼はきっと自分を責める、私のことを守れない、私にこんな手段を取らせてしまった自分のことを責めるから
だから知らないでいて欲しかった…
私の選択が彼を苦しめる結果になるとしても…今更やめることは出来ない、だから私も彼を止めることは出来ない。
彼が私に何も言わず毒を呷るのは…私への失望かそれとも怒りか、いえ…彼のことだ自分への失望なのだろう
私達は日々自らの身体を毒に変えながら、その日が来ないことを願いながら…その日が来ることを渇望しながら
彼のことを誰よりも想いながら彼との日々を過ごす
今日も彼は笑っている、いつものように私の好きな優しい笑顔で
だから私も微笑み返す、彼が好きと言ってくれた易しい笑顔で
毒を飲む2