しのぶ:●●君…なにか悩みでもありますか?
●●:…少し
ことを終えた後、服を着替え床についたがなかなか寝付けないでいると、隣で寝ていたしのぶが話しかけてきた。
●●:さっきはごめん…痛かった?
しのぶ:大丈夫です、一瞬でしたし…少しびっくりしましたが…
●●:本当にごめん…
しのぶ:宜しければ、なにがあったか話して貰ってもいいですか?
●●:…この前さ、同期が死んだ。そんなに仲のいい奴じゃなかったけど…それでもやっぱ悲しくて
しのぶ:…そうでしたね、仲間の死は慣れませんね
●●:それだけだとまだよかったんだけど、アイツ今度結婚する予定だったんだよ、最悪なのはその相手も鬼に殺されて死んだってこと…しかも同じ日に別々の任務で
しのぶ:…
●●:一緒に死ねたなら…まだマシだったのかもしれない、でも…アイツらはお互いが死んだことを知らぬまま死んだ…その方が幸せだったという奴もいるけど……俺はそんなの嫌だ
鬼狩りの任務の赴くたびにこれが今生の別れかもしれないと思う…
死ぬのは怖い、でもそれ以上に俺が死んだことをしのぶが知らないままの方が嫌だ…俺は死んだら、しのぶに俺が死んだをことを知って欲しい。
俺もちゃんとそのことを知りたい…鴉たちが伝えてくれれば…亡骸を回収できれば幸いだ、だけど鬼に全て喰われたら俺はしのぶが死んだことを知らぬまま、しのぶは俺が死んだことを知らぬまま生きることになる…それはとても残酷なことだと思う…
そんなことを考えたいたら、途端に色々なことが怖くなった、しのぶがいつか鬼に殺されて…カナエさんの敵討ちが出来るならそれでいいのかもしれないけど…やっぱり俺は…
いつか誰かに俺の知らぬところで殺されるのなら…いっそ
…ごめん、なに言ってるんだろ、縁起でもないことばっかり愚痴って…頭おかしいよな
しのぶ:…●●君、いいんですよ。思ってることは全部吐き出してください…その方が楽になります。
●●:ありがとう…もう大丈夫、だいぶ楽になったから…そろそろ寝よっか、明日も早いし…
しのぶ:そうですね……そうだ、心配性の貴方がちゃんと眠れるように抱き枕になって差し上げます。
●●:ありがと、しのぶが腕の中にいてくれるなら、安心して眠れそうだ…
しのぶ:そう言っていただけて幸いです、では…明かりを消しますね。
しのぶ:(彼気持ちは痛いほどわかった…彼の同期の話は私も噂で聞いていた、その話を聞いて私も似たようなことを考えた、いつか誰かになら…それが私でも…)
(…馬鹿ですね、私も……こんなこと考えるなんて、今思うと本当に馬鹿なことです)
(自分からこの幸せを壊そうとするなんて…●●に抱かれ腕の中で彼に包み込まれているこの瞬間が何よりも好きで…この幸せな時間がいつまでも続けばいいのに…)
(確かにこの幸せを失うのは恐ろしい…でも、自らその幸せを捨てるなんて愚の骨頂)
(未来を恐れても意味がない…今はただこの瞬間の幸せを噛みしめていればそれでいい…)
殺したいほど愛してる