名前:胡蝶しのぶ

しのぶに怒られた回数78

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蝶屋敷に出掛ける為に●●君は医者鞄と革のトランクに昨晩二人で作った薬を入れていた。

しのぶ:少し作り過ぎましたね…そんなにいっぱい持てますか?


彼は微笑みながら大丈夫と答えた

しのぶ:でも…かなりの荷物ですし、それに私だって


彼はまた微笑みながら答えた、大丈夫…それにしのぶは荷物じゃないよ、と

●●君らしい答えだと思い、微笑み返した



荷造りも終わり最後に私の身体におんぶ紐を通そうとした時、不意に無いはずの左手に痛みが走った。

突然のことに思わず声が漏れ、顔を歪ませてしまった。


●●君が心配そうに腕を撫でてくれる


しのぶ:大丈夫です、傷が痛むわけではありません…おかしなものですね、無いはずの手が痛いんです。


私の言葉を聞いて、彼は少し考えこむと本来手があるはずの部分を触り、撫でる真似事をしながら痛むのはこの辺かな?と苦笑いしながら言った


もどかしい、幻肢の痛みがじゃない…痛みを感じることは出来るのに、●●君の温かさを感じないことが歯がゆい



しのぶ:●●君…それもいいのですが、真似事ではなくちゃんと触ってください


●●君は優しく腕を撫でたり揉んでくれた…それでも痛みは引かなかった、でも…大丈夫、所詮は幻の痛み

彼が与えてくれる本物に敵うはずがないのだから



幻肢の痛み