しのぶ:服毒の影響か、体調を崩してしまった…
まだ体が耐えられていない…少し多すぎたのかもしれない、ことを急いては仕損じる。
毒の調合を見直す必要があるし、投薬の量を改善した方がいい…それにもう少し慎重にしなければ
じゃないと彼が心配する
私が体調を崩してから彼がつきっきりで看病をしてくれている
しのぶ:●●君…ただの風邪だと思いますので、わざわざ看病なんて必要ありません。
●●:風邪…かな?熱は全然ないし…むしろ……
彼は言葉を詰まらせながら私を見つめた…何を言いたいのかは分かる、何を言えないのかも…
しのぶ:●●君…私は大丈夫ですから…大丈夫だから放っておいてください、これは私の問題で貴方には関係ありません。
突き放してしまった…もう、後戻りはできない。だから…●●、ごめんなさい
●●:…わかった
悲しそうな…悔しそうな顔だった…彼のそんな顔は見たくなかった、私のせいで彼にそんな顔をさせてしまった。
私は酷い人間だ…
●●:もう心配はしない……でも、傍に居させてくれ。しのぶのすることを止めることも咎めることもしない……だから、せめて傍に居させて欲しい。
そう言って彼は私の手を両手で包み込んだ、温かく優しかった…手だけではなく全身が優しい温もりに包まれるような気がした
しのぶ:●●君……ありがとう、貴方が傍にいてくれるだけで充分です…嬉しいです。さっきは少し言い過ぎてごめんなさい。
うまく言葉に出来なかった、本当はもっと気の利いた言葉があったのかもしれないが……その時はそれが精いっぱいで、結局私は彼の優しさに甘えることになった。
はじめての看病