しのぶ:●●君…ありがとう
●●:(腕の中のしのぶは以前よりも小さく感じた)
実際小さくなっているが…それ以上に小さく感じた
しのぶは自分が悪い…そんな顔をしていたが、そんなことはない、悪いのは俺だ…全部俺が悪い
しのぶをこんな体にしたのは俺なんだから
あの日…目の前でしのぶが鬼に喰われるのを黙って見ていられなかった…例えそれがしのぶの望み…作戦通りだったとしても、俺にはできなかった
どんな姿であってもしのぶに生きて欲しい…そのエゴを俺は押し付ける結果になった
しのぶの想いを無視して、俺は…鬼に吸収されつつあったしのぶの四肢を斬った、カナエさんの仇を討つことより、鬼殺隊の剣士として鬼を倒すことよりも、しのぶの命が大切だった
結果的にあの鬼を倒すことだ出来た…でもそれは幸運だったからだ、もしもあの鬼に逃げられていたら…何のためにしのぶはずっと毒を飲んできたんだ…俺のせいでこれまでのしのぶの全てを無駄にしてしまうことになっていた。
だから…二度と取り返しのつかないことを仕出かしたんだから、一生をかけて責任を取るしかない
俺の身体をしのぶの身体として使ってもらう…俺の一生をしのぶの為に使い潰す、それしか償い方法を思いつかない
しのぶの望みはどんなことだって俺が叶える……もしも、こんな体で生き続けることに耐えられないと、しのぶがそれを望むのだとしたら、俺が手伝うしかない……その後で俺自身のけじめをつける
しのぶがそんなことを願うはずがないと分かってはいても…絶対とは言い切れない。
俺はしのぶが生きていてくれる、それで充分幸せだが…それが彼女の幸福に繋がるとは限らない
しのぶが今この状況をどう感じているのか、どうすれば俺達は幸せになれるのか、それを聞く勇気が俺には…ない
すれ違う幸福