〈鬼になってしまった直後は飢餓状態からの大量の共喰いをしていた。食べたのは全て鬼だったが、鬼と人の区別が上手く掴めなかった時には僅かに残った人間性で自己嫌悪に陥り、日が昇る場所で死のうと思った。

出来るだけ誰にも会わないように覚束ない足取りで日の当たる場所を探し、日が昇る場所まで行ってこれで終わると思った。

日の光を浴びた私の体は元の人間の姿に戻った。理由は全く分からない。けど異常なまでの倦怠感に襲われた。人から鬼へ、鬼から人へを三日三晩も繰り返し、鬼へと変化する際の重度の飢餓状態から耐え切れず、気付いたら目の前は血溜まり。自分は膝をついていて、口の周りや手と着物は赤く染まっていた。それでも三日にも及ぶ飢餓状態の自分には目の前の捕食対象に喰らいつくしかなかった。

きっと酷く醜い姿だったに違いない。夢中で貪り喰らう私は鬼という獣そのものだ。

その直後、背後に刀を握る男の気配を感じ、咄嗟に避けた。〉


名前:冨岡義勇
鮭大根を13回横取りされた
話した言葉:過去

鮭大根を差し入れする

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