新婚の御夫婦のお話です。
周りからは幸せそうにしか見えなかったA夫婦にはとある問題がありました。

それは二人揃って不眠症を患っていたのです。
特に奥さんの方が酷く、薬を飲んでいたのですが日に日に悪化していき、とても強い薬を使わないと眠れなくなってしまいました。

薬を飲んで上手く入眠出来た奥さんとは違い、その日は旦那さんの方が入眠に時間がかかってしまい、イヤホンをしながら動画などを見ていたそうです。

そうして二時間程経った時に旦那さんの肩を誰かが叩きました。イヤホンをしていた旦那さんはビックリして振り返ると、寝ていたはずの奥さんが眉間にシワを寄せてこう言いました。

「どうしてお経なんか読むのよ、怖いから止めて」

旦那さんは少し驚きましたが、もしかしてイヤホンから音楽が漏れてそれがお経の様に聞こえてしまったのではないかと思い、奥さんも言い終わると隣の自分の布団で再び寝始めました。

しかし再び旦那さんは肩を叩かれました。やはり奥さんでまた、

「だから、何でお経読むの?怖いんだからいい加減にしてよ!!」

奥さんは苛立ちながらそう言うとまた寝始めたそうですが、旦那さんは少し怖くなり、朝になってから奥さんにこういう事があったと話すと一切覚えてなかったのです。

元々霊感のある血筋の奥さんは憑かれやすい体質らしく、これまでも何度も様々な心霊体験をしており、もしかしたら奥さんに憑いていた何かがお経を避ける為に奥さんの身体を一時的に乗っ取っていたのでしょうか。


名前:冨岡義勇
鮭大根を13回横取りされた
話した言葉:読むの止めて

鮭大根を差し入れする

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