何時だったか。魔法使いが自らの息子と自慢する黒竜の話題に興じた事があった。
「息子とやらに会ってみたい」と素直な好奇心に若干のからかいを混ぜた感想を述べると
「もうじきこの塔を訪れる頃合いじゃないかな」と、魔法使いは出稼ぎに出た息子の帰りを待つ母の様な笑顔で語っていた。

そんな一幕をふと思い出しながら、テラスで麗らかな陽光を浴び眠気に誘われかけていたある日の午後――不意に空が陰る。
眠気眼を擦り見上げると先程までの蒼穹はにわかに湧き立つ暗雲に覆われ、稲光が幾筋も走る異様な荒れ模様へと一変していた。
次の瞬間、天地を貫くかの如き黒雷が空を見上げる己の元に降り注ぎ君は自らの死を覚悟した。

『母上、母上は何処なるや!?貴女様の子息、エルペリオンめが只今参りましたぞ!!』

……思わず閉じていた瞳は、己を焼き貫いた筈の雷鳴代わりに聞こえてきた少年の甲高い声音に思わず見開く。
きつく閉じた為かまだぼんやりする視界に映ったのは、黒雷と共に降り立ったとしか言い現し様がない黒髪の少年。
それが勝手知ったる我が家の如くテラスから居間へと踏み入れ、大声で母の姿を求め呼ばわっている。
半ば呆気に取られながら少年の姿を目で追っていると、そこで漸く相手も君の存在に気づいた様だ。
一睨みで三度射殺されかねない圧倒的な暴と威が、その深紅の瞳より君に放たれる。

『……不埒者!!この場を何処と心得えたるか。我の唯一無二なる慈母ラスベルタ、偉大なりし白の魔法使いの寓居なるぞ。
 誰の許しを得て貴様如き胡乱の輩が母上の居に足を踏み入れたるか、直ちに返答せいッ』

これが魔法使いラスベルタの育てた黒竜――今代の竜王エルペリオンとの出会いとなった。

竜鱗の靴を見せる
アッ、オジャマシテマス。ラスベルタサンニハオセワニナッテマス…
白の騎士だと名乗る or 初めまして。ラスベルタの騎士だ
わ、私は陛下の母君に永遠を誓った……誰よりもラスベルタを愛している○○と申しますっ!!!(騎士の咆哮)

名前:白のラスベルタ
行きて帰りし11回目の旅路
話した言葉:エルペリオンに会える?

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