「正確には翼先輩にも伝えてるけど、優くんに伝えたのは…


感謝してるからだよ





東京に来て、内部進学組が多数を占める周囲の生徒たちとの間に壁を感じてた

地方出身で、中流階級の自分と…周囲の生徒では、住む世界が違うように感じた
かといってプライドは高かったから、自分から打ち解けようと動くこともなく、初めの1か月くらいはいつも一人だった

変な風に思われたくもなかったから、1学年上の藤原先輩に会いに行くことも無かった

……入学当初は、しんどかった


そんな時、優くんが声を掛けてくれた

一人で居た違うクラスの俺に話し掛けてくれたから


そんな優くんだから、大切なことも色々打ち明けてるんだよ」



石上「……○○くん



めっちゃピュアだな」


酷!?


石上「まあ、今だから言えることだけど

昔から○○くん、人気あったんだよ 僕と違って

A組の女子が話してるところ聞いたことあるけど、『クールでカッコいい』って話してたんだよ 僕と違って


話し掛けたのは、○○くんが手帳を落としたのを拾ったとき、手帳からムチムチお姉さんキャラのイラストカードが零れ落ちてきたから

話が合いそうと思って話し掛けたんだ」



「き、聞きたくなかった…」

石上「でも今では、仲良くなれて良かったって思ってるよ
○○くんは本当、凄くいい人だから」



RA.20⑧