「はぁっ!?
…はぁ……はぁ……よかった…夢か」夢の中の自分も夢だと思ったけど、本当に夢で良かった
……夢のおかげで気付いたが、この部屋は相当ヤバいな
万が一藤原先輩が部屋に来たとしたら、あまりにも致命的だ
…一人暮らしだから、どうしても気が緩んでしまう
少し模様替えしよう「ふぅ……あ…あれ?
このサイコロ、机の引き出しに入れてた筈だけど…」このサイコロは俺にとって、宝物だ
去年の夏休み、何処に進学するか悩んでいて、東京の高校の見学に行った
そして、藤原先輩と出会い、受け取った「あの時、サイコロの目が3か6だったら東京の高校に進学…みたいな賭けをやったんだったよなー
今思うと、本当に悩みに悩んで疲れてたんだろうな…」
【ご、ごめんなさい…心配させちゃいました
あ、あの…私が言ったこと、気にしないで下さいね? ちゃんと自分で進路を考えて下さい
○○くん】
【あっ、はい】……ふふ、変な先輩だったな
あんな変な女の子も、この高校に通ってるんだ
初めは東京に行くとしても、こういう頭のいいボンボンが大勢いる高校は行くつもりなかったんだけど
中流階級出身の俺からすれば、あまりにも住む世界が違う高校だと思うし
見学も、本当についで、だったんだけど…【でも……】あの時藤原先輩と会って
俺の気持ちは決まった
「『秀知院に来てください!』って言って欲しかったのが、正直なところだけど
流石に、そんな夢みたいなことは、ありえないな
あの時、何の目が出たんだっけ?
もし、3か6が出ていれば
何の言い訳もなく秀知院を目指せたんだけど」(コロコロ……)トップに戻る