【あの、先輩はどうした方がいいと思いますか?】

【私っ!?

そ、そんな大事なこと、私に聞いていいの?】

【はい、是非とも】


【そうですね…


……このサイコロを手に取ってみて下さい】

【えっ、サイコロですか?】


【…こういうことは、ご本人が悩みに悩んで決めた方がいいと思います

ただし、どの選択が正しいかは神のみぞ知ること!
こういう時はですね、運否天賦に身を委ねた方が、案外正しいかもしれません!


サイコロの目が1、4だったら地元、2、5だったら大阪、3、6だったら東京


なんて、どうでしょう!!】


【…………………………】

【…あ、あれ…怒ってます?

えっと、冗談です♪ 冗談なので、えっと…ですね……】

【面白いですね!
そういう発想は全く無かったです】


【いや、冗談ですから!?

わ、私そんな責任持てません! しっかりご自身で考えて】


【俺…結構優柔不断なところがあって、多分この先もずっと悩み続けるんだと思います

だから、先輩の仰る通り、運否天賦に身を委ねた方がいい
それで早めに進路を決めて、勉強に集中する方が絶対いいです】



(ぎゅっ)


【……神様、お願いします

【や、やめ】


(コロコロ……)


RA.16⑥