翼「…本当に照れくさいけど、嬉しいよ渚

勝手にスマホを覘くのは気が引けるけど、状況が状況だから仕方ない
何かメッセージを送っててくれ…!」


帝「なあ姉貴
もし仮に、渚ちゃんが蟻と入れ替わってて、その蟻を踏み潰したら、どうなるんだろう


マキ「何言ってるの…あんた


翼「…あっ


な、何か特定の番号からいっぱい着信が来てる!」


帝「へー、あ、俺の番号じゃないみたいだ、良かった」

マキ「マジ? 間違いなく渚じゃない!!」


翼「渚……だよね…良かった…

掛け直そう!!」

(ピピピ…)






「…はい」

翼「渚っ!!」

「あっ…やっぱり私、入れ替わってたんだね
良かった…」

翼「うん! 本当…渚が生きてくれてただけで、良かった…」

柏木「その声…マキちゃん?」

翼「あ、マキちゃんだけど、中身は俺、田沼翼だよ!」



柏木「………なんでマキちゃんと入れ替わってるの?

翼「えっ」

柏木「普通こういう時は、好きな人と入れ替わるよね
何でマキちゃんと入れ替わってるの
おかしいよね、マキちゃんのことが深層心理で好きだからなの?
そういえば翼、前マキちゃんと学校ですれ違ったとき何か耳打ちしてたよね
何?密約?
ねえ、何だったのアレ
翼は私よりマキちゃんが好きなの?


翼「あ、あの、なぎ」

柏木「浮気しないでって約束したのに、裏切ったんだね

許さない
翼もマキちゃんも許さない
絶対、許さない ふたりともころす


(ピッ)


RA.14⑨