「どうして、俺のことは応援してくれるの?」


圭「………」

「あ、いや!

俺は別に藤原先輩のことが好きとかそういう訳じゃなくて!」


圭「まだそのめんどくさいノリ続けるの」

「……分からないんだ

俺が秀知院に進むことを決めたのは、藤原先輩とあの時会ったってことが一番の理由
元々は地元でマイルドヤンキーとして暮らす心積もりだったけど…あの時先輩と出会ったから

でも…自分では本当に分からない
今まで誰かを好きになったこととか無いから」



圭「…私が●●兄ぃと千花姉ぇを応援してるのは、お似合いだと思ってるから

2人が一緒に居るとき、本当に楽しそうにしてるから
2人とも同じ想いだと思ってるから、茶々入れじゃなくアシストのつもりで応援してるの」


「…そう言ってくれるのはありがたいよ

でも…藤原先輩は、俺のこと後輩としか思ってない
いつも『可愛い』『弟みたい』とか言ってくるし」


圭「何、ノロケ?」

「えっ、ち、違うって!」

圭「もう千花姉ぇと出会って、秀知院に外部入学して、結構経ってるんだから
千花姉ぇがどういう人なのかよく分かってるでしょ?

異性に対して直接そんなこと言うって時点で、気に入られてるんだよ
もういい加減、鈍感キャラは卒業しようよ」


「……ありがとう、圭ちゃん」

圭「何度も言ってるけど、"圭"」

「圭ちゃ……圭」




(自分の気持ちが分からないのは嘘じゃない
今まで他人のことを好きになった…恋愛感情を抱いた経験が無かったから

萌葉ちゃんみたいに、自分の気持ちを理解できて行動に移せるのは、本当に凄い

本当に、この想いが恋なのであれば


もっと、頑張らないと)




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RA.10⑧