「はあ……」
今日何度目の溜息だろうか。一人になったのは失敗だったかも知れない。
里山の合間にひっそりと佇む自宅に帰る途中、路傍の柳の木の下で、柄にもなく物思いに耽ってしまった。もうすっかり日も落ちた。
考えれば考えるほど、自分という存在が分からなくなる。
人間には歯が立たなかった。じゃあ妖怪には?
私より強い妖怪なんてたくさん居る。紅魔館の主、天狗達、地下の鬼ども。
種族内の序列ですら、私は底辺に近いわけだ。人間には忌み嫌われ、妖怪たちには蔑まれる。
考えたくはない。考えたくはないが……
【私が強い妖怪だったら?】
【私が、人間であったなら?】
きっと、あるいは、もしかして、今よりずっと幸せだったんじゃないか。特別な存在になれたんじゃないか?
こんな、言いようのない無力感に悩むこともなかったんじゃないか。
強ければ、特別だった。
弱ければ、気付くことも無かった。
そして、人間であったなら…… 大切な何かの為に、生きる事も出来たかも知れない。
鈴蘭畑のあいつのように、生まれたばかりであるのなら、余計な意地もプライドも無いだろうに。
自分の無力さ、情けなさを、受け入れるには、私は長く生き過ぎた。
出逢い3