「でさ~、ちょーっと調子に乗ってみたら、もうボッコボコだよ!!なんてったってまさか、あの博麗の巫女だもんな~」
「私も、なんだか気が大きくなっちゃって……あの時はほんと、どうかしてましたね、あはは……」
この間、何故だか気が大きくなって、暴れてみた時の事を、わかさぎ姫と影狼が楽しそうに話している。
まぁ、かく言う私も手痛い返り討ちに遭った内の一人なんだけど。
本当にあいつらは凄い。博麗の巫女、変人の白黒魔法使い、紅魔館のメイド長。
全く歯が立たなかった。そりゃ自分が強い方だと思った事なんてないけど。それにしたって、あいつらは「人間」だ。
私達妖怪は、人間たちに恐れられ、あるいは畏れられ、忌み嫌われる存在だ。そして、すべからく人間たちは非力であり、私達を遠ざけたがる。
これまで妖怪であることにそれなりの矜持を持っていたし、人間たちの事は正直格下の存在だと思っていた。
だが、幾多の物語、それが示している通り、化け物を倒すのは人間なんだ。私達妖怪は、種族として人間には歯が立たないのかも知れない。
「はあ……」
「蛮奇?どうかした?相変わらずお前は根暗だなあ。」
「蛮奇ちゃん、負けちゃったのがよほどショックだったんですね……」
敗北という意味をかみしめ、自分の存在を考え直していた、なんて言えば聞こえはいいが、単に自信を喪失しただけだ。二人にはそれを見抜かれているようで、私は苛立ちを覚えた。
「……ほっとけ。どうせ私は根暗だよ。今日はもう休むわ。」
心配しているであろう、二人を尻目に、私は家路についた。今日はもう寝てしまおう。妖怪は夜に活動するものだが、いささか疲れたし、遊ぶような気分でもない。
「あ、おーい!!……行っちゃったよ。」
「蛮奇ちゃんがああなのはいつもですけど、今日はちょっと様子が変でしたね。」
出逢い2