お、っと。
(パキンッ)
(彼の長い髪に自分の髪が当たり、頭上からあまり聞きたくない音が聞こえた)
(そのまま髪の束が下に落ち割れ砕け散る)
(彼と触れあっている時は硬度を気にしたことはなかったのに、高硬度相手だとこうも不便なのか)
(自分の低硬度を呪わずにはいられない)
…ん。後でルチルに治してもらおうな(なでなで)
…お前は割られる側の気持ちはよく分かるだろうが、割る側の気持ちを考えたことはあるか?
不可抗力だとしても、自分のせいで相手が開く…常に剣を持ち歩いている気分だ。
もちろんそれは相手側も思うことで、低硬度は皆慕いはしてくれるが俺に近づこうとはしなかった。
…お前だけだよ。恐れず俺に飛び込んできてくれるのは(ぎゅう)
(パキッ)
……だから俺のこと、その脆い全身で受け止めてくれ。
P胸に飛び込む