(優しく頬に指を這わせると、驚いた顔をしたまま固まってしまった)
(じっと見つめていると彼の目からゆっくりと合金の粒が溢れ出し、重力に従って頬を伝い下へと垂れていく)
…行かないで。
なんだか君が遠くへ行ってしまいそうな気がする。
月へ連れて来たのにまた不安に押しつぶされそうになるなんて…想定外だ。
この胸騒ぎはどうしたらいいの?どうやったら君は僕の元にずっと居てくれる?
…もうどうしたらいいか分からないんだ。
お願いだよ君。僕を安心させて。
(弱弱しい力で抱き締めてきた彼をそっと両腕で包み、片方の手のひらを彼の頭に乗せる)
(ピシッ)
(手のひら全体に亀裂が入ったが、何も気づかなかったことにした)
F頬を撫でる