(夜、シンシャのことが気になり崖を登り外を歩いていると、後ろから声がした)
(振り返ると白い服を着た短髪のラピス…いや、ラピスの頭部を接合したフォスが月夜に照らされ微笑んでいた)
(彼は自らの意思で月へ行ったとシンシャから聞いてはいたが、いつの間に戻ったのだろうか)
君…やっと見つけた。
君がこんな危険な場所で暮らしてるなんて思いもよらなかったよ。
でも間に合ってよかった。君、一緒に月へ行こう。
…ああごめん、この顔で君に会うのは初めてだったね。さすがの君でも即答はできないか。
実は僕は月へ行っていたんだけど、そこで月人に真実を聞くことが出来たんだ。
先生の正体は人間の道具。そして月人の目的は道具としての先生をつかうこと。
僕らは先生への揺さぶりの為に月へ連れ去られていたんだ。
けれど先生は壊れているらしく、動かすための刺激を与えるために僕は僕らの意思で月へ行こうと考えた。
先生を動かすことができれば僕らはきっと大きく変わる。
だから一緒に行こう、君。
…ああ、シンシャにも同じ話をするつもりだよ。
だからシンシャも一緒だ。ここに居るということは君たち最近仲がいいんだろう?なら共に行くべきだ。
(私は彼の誘いを…)
断った