君…起きているか。
(朝、身支度をしているとカーテン越しに声をかけられた)
(昨日の今日で心の整理がついているはずもなく、動けないまま彼の様子を伺う)
…顔を出さなくてもいい、耳だけ貸してくれ。
…昨日はあのような暴言を吐いて…すまなかった。
お前がなぜ黙って持ち帰ったのか、少し考えればわかることだった。
…私が他の者と結婚していたと、そう思ったのだろう。
……これは私に非がある。あのような場所に置けばお前がそういう考えに陥ることを想定できたはずだ。
だが聞いてくれ…私はお前以外と結婚したことは一度もない。
とある理由で詳細は語れないが…いや、言ったとしても無意味なんだ。
…こんな曖昧な説得ではお前が愛想を尽かしても無理はないな。
だが私は…ずっとお前を待ち続ける。例えこの先どんなに傷ついたとしても、お前となら…。
…言いたいことは以上だ。邪魔したな…。
(彼のヒールの音が鳴り離れていくのが分かる)
(私は彼を…)
A仲直りする