君…。
(五体満足の彼を見て、一瞬嬉しく思うもすぐに冷静になる)
(彼は彼のインクルージョンの見せている記憶の一部であり、本物ではない)
(もしかしたらそれすらも虚構で、自分が見せている夢まぼろしなのかもしれないのだから)
…今日は随分と落ち込んでいるようだね。
顔を上げてごらん……君。
(それでも記憶と違わない彼の声に体が自然と反応してしまう)
(コツン、と無機質な音。割れることのない唇)
(すべてがあの時に戻ったようで、どうしようもなく嬉しくて、どうしようもなく悲しい)
…君を泣かせるためにした訳ではないのだけれど。
まあ、それについて僕がとやかくは言えないな、うん。
…君を置いていってしまった事、後悔しているよ。
この戦争状態に対する疑問を解決出来なかったことよりも、ずっと(コツン)
瞼にキスする2