名前:フォスフォフィライト

硬度119

かわいい!りりしい!

(最初で最期の景色を眺めつつ、重力に任せ砂の上にゆっくりと体を横たわらせる)

(絶え間なく寄せる波面に輝く光がとても幻想的で、ずっと眺めていたい気分になる)

(しばらくすると涙が頭の中に溜まるような嫌な感覚が全身を襲う)

(ふと何気なく指同士を滑らせると、ざらりと削れ細かい自分が水中を漂い、そして消えていく)


(「死」が間近に迫ってきている)

(初めて味わう「死」の恐怖)

(けれど動くことはできない。動いたら今の醜い自分が見えてしまう)


(二度と彼の顔を見ることは、できないのだろう)

(波がそよぐ風のように暖かく感じられ、それだけに集中しそっと目を閉じた)

(他に何も考えたくなかったから)











君…!


(目を開けると、居るはずの無い彼がそこに居た)

(苦しそうな彼の表情とは裏腹に、なぜか笑みが零れた)

水に沈む