(何百年かぶりにラピスが目覚めた)
(皆はフォスだと言っているけれど、仕草や言動、知識、発想はラピスそのものだ。間違えるはずがない)
(彼自身も自分のことをフォスだと言ってはいるが、おそらく皆が混乱しないようフォスのフリをしているだけだ)
(図書室で彼を見つけ、はやる気持ちを抑えきれず早口でまくし立ててしまう)
(ラピスに話したかったこと、ラピスにしてもらいたかったこと、たくさんありすぎて思考に口が追い付かない)
(ひとしきり喋り終わると、彼は以前のように微笑み返した)
(少し影があるように見えるのは気のせいだろうか)
…ごめん、今は調べ物をしている最中なんだ。
また夜に話そう。その本、読んでほしいところを決めておいて。
(ここで食い下がっては彼の迷惑になる)
(これからまたたくさん彼と過ごすことができるんだ。焦る必要はない)
(腕にかかえた本を持ち直し、図書室を後にした)
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