名前:フォスフォフィライト

硬度119

かわいい!りりしい!

(コンコン、ガチャッ)

…君、まだ起きてる?

ごめん。こんな時間に。今日のこと謝っておこうと思って。
どうしても外せない用事があったの。君に美味しいご飯を作ってあげられなくて本当にごめん。

…気にするわよ。だってあんたはいつも私の晩ごはん楽しみにしてくれたんだから。
作り置きも考えたんだけど、あんたにはやっぱり作りたての料理を食べてもらいたかったから。
でも大丈夫。明日からはちゃんと作るわ。
ッ別に、あんたのこと嫌いになったとかそういうわけじゃないんだから。本当よ!
どっちかっていうと……ッううん、何でもない、何も言ってない!本当に何でもないからっ!

あ、そうだ。お昼のお弁当どうだった?いつもと味付けを変えてみたんだけど。
そっか…よかったわ。口に合わなかったらどうしようと思ってたんだけど、これでひと安心ね。
―――もうっそんなの気にしなくていいわよ。家族なんだから…ね?
料理とか洗濯とか、私の取柄ってそれくらいしかないし。それに君はいつも私のお料理を美味しそうに食べてくれるんだもの。
あたしだって頑張るわよ。

ところで君、さっき洗濯しようとして見つけたんだけど、このハンカチ…君のじゃないわよね?誰の?
あー、分かったわ。フォスのハンカチでしょ。匂いでわかるわ。
それで君がなんで持ってるの?
え…!あんた怪我したの!?そのときに借りたって―――怪我は大丈夫なのっ?
うん。うん。うん。うん…そう。大したことなくてよかったわ。

あのハンカチに付いてた血、君のだったんだ…ちょっともったいないことしたわね…。
こんなことなら血の付いた部分だけ切り取ってから片づければよかった。


っ何でもない!ただの独り言だから。

そういえば最近あんた帰りが遅いよね。
―――図書室で勉強?ああ、あのおとなしそうなクラスメートの人でしょ?知ってる。
でもあの人っておとなしいっていうより暗いわよね。あんな人と話してたらあんたまで暗い性格になるわよ?

君…昔はあたしの話ちゃんと聞いてくれてたのに…最近はあまり聞いてくれないじゃない。
…それにあたしとも遊んでくれなくなったし…学校に行くのもフォスと一緒に行こうっていうし…!
あんな人!!!!どうせ君のことに何もわかってないんだから!!!!(ガシャーン)
君のことを世界で一番わかってるのはあたしなの!!!!他の誰でもないあたし!!!!

…ご、ごめん。怒鳴っちゃって。あんたがそういうところで鈍いのは昔からだもの。分かってるわよ。
それはそうと今日の晩御飯どうしたの?
そう、外食したのね。お金渡しとけばよかったわね。
それで一人でご飯食べたの?…ふーん、一人で食べに行ったんだ。
(クンクン)…やっぱりあの男の匂いがするッ

(ガタッ)

君の嘘つき!!!!
ねえ!どうしてそんな嘘をつくの?あんたいままであたしに嘘ついたこと一度も無かったのに!!!!

そっか…やっぱりフォスのところに行ってたんだ。
へえ、手料理を食べさせてもらったの。
それは、よかったわ、ね!!!!(バリーン!)

君は優しくて可愛くて、でもちょっと雰囲気に流れやすいところは分かってた。
でも君はきっといつかはあたしの気持ちを絶対わかってくれるって思ってたからずっと我慢してたのよ!?
それなのにあたしに隠れて浮気ってどういうことっ!?信じられない!!!!
やっぱりあの男がいけないのねッ
幼馴染みとかであんたにすり寄ってくるけど、結局は赤の他人じゃない!
あんな奴に君を渡さない。渡すもんですか。
たとえ幽霊になって出てきてもまた始末すればいいんだからっ

…はっ?どういう意味ってそのままの意味に決まってるじゃない。
あんたにすり寄ってくる意地汚い男どもはみんなもうこの世にいないのよ?
ほら、あたしの手嗅いでみて。ちゃんと綺麗にしてきたからあいつらの匂い全然しないでしょ?
ええ、そうよ。今日あんたの晩御飯を作れなかったのは邪魔な男を片付けてきたから。
だって…あんなのいらないもの。あんたの傍にあんなのがいたらあんたが腐っちゃう。
あんたを守れるのはあたしだけ。あんたはあたしだけ見てればいいの。それが最高の幸せなんだからッ(ガタッ)

どうして…どうしてそんなこと言うの!?君はそんなこと言わないっ!!!!あたしを傷つけること絶対言わないもの!!!!
そんなの君じゃない!!!!(ガッシャーンバッリーンッ)

あーそっかぁ、アイツの料理食べたから毒されちゃってるのね。だったらそれを早く取り除かないと。
あー…でも料理を食べたってことは口の中もアイツに毒されてるってことよね。
食道も胃の中も。内臓がどんどんアイツに毒されていくんだわ。

じゃあ…あたしが綺麗にしてあげなくちゃね。
ヤンデレのアレキちゃんに死ぬ程愛されて夜も眠れない