名前:フォスフォフィライト

硬度119

かわいい!りりしい!

(定時時刻から一時間後、ようやく仕事が一段落し自宅へと歩みを進める)

(フォスが家に住み着いてから今日で五日が経とうとしていた)

(毎日外出はしているようだけれど、深夜には帰って来ているため未だ"良い獲物"は見つけられずにいるようだ)

(もしくは失敗しているのかもしれない。あの子はテクニックこそ持ち合わせていえど見た目よりもずっと純粋だ)

(確か最終試験の期間は一週間と言っていた。そろそろ本気で動かなければいけないのに…悠長すぎないだろうか)


(そんな思慮を巡らせていると、前方から怒気を含んだ声が聞こえてきた)

(男三人に女の人一人、女性を壁に追いやる形で男共が逃げ道を塞いでいた)

(ナンパに失敗した上恥でもかかされたのだろうか。唯一表情の見える奥側の男は今にも殴らんばかりの勢いで女性を睨みつけている)

(対する女性はそんなのどこ吹く風とでも言うように頬にかかる髪に指を通し背中へと払う)

(そんな掴みどころのない態度に痺れを切らしたのか、手前側の男が彼女の胸倉を掴み引き寄せる)

(外套に照らされた彼女の顔色はとても良いものとは言えない。けれどどこか余裕のありそうな笑みをたたえている)

(彼女はこの後どうなってしまうのだろう。唯一言えることはただでは帰してもらえないということだろう)

(もちろん我関せずと素通りすることも出来た。近くの店に入り男の人を呼ぶことだって難しくはなかった)

(けれど体は勝手に動き、気付いたときには男を押しのけ彼女の腕を掴み走っていた)

(背後から罵声を浴びながらも震える足を懸命に動かし、地の利を生かしてなんとか男達を撒くことができた)

(家路とは真逆の方角へ来てしまったけれど仕方が無い。息を整えながら彼女の方へと視線を移す)

(そこには息ひとつ乱さない、青く長い髪を揺らめかす絶世の美女が居た)

フォキュバスイベント2