(虚の岬で白粉の実を摘んでいると、北の丘の方からシンシャが走ってきていた)
(目線を辿ると、ちょうど月人が矢を放つ寸前だった)
お前はっ…もっと周囲を警戒しろ!
(彼はこちらを見向きもせず横を走りぬき宙へと飛び毒液を浴びせる)
っ…こんな姿、見られたくないのに…!
(彼の戦闘センスは抜群だ。早々に中央の月人を倒してしまった)
はぁ…っ
(シンシャが重力に耐え切れず地上へと降り立つ)
(けれど霧散する直前、残った月人が彼めがけて矢を放とうとしていた)
(彼は後ろを向いている。気づいていないし間に合わない)
(考えるより体が先に動いていた)
(バキンッ)、は…っ!?
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