(ソファに座っているラピスを撫でたり寄り添ったり髪を梳いたりしていると、最初は微笑み返してくれたのに、だんだんと無表情になっていった)
(あまり見たことのない顔に機嫌が悪いのかと思い少し離れてみる)
…、…何か考えがあっての行動では無かったのかい?
(何のことだろうと思考を巡らせていると、男にしては細い腕に肩を押され上半身を押し倒される)
(そこに彼が覆いかぶさるように跨り長い髪が頭の横へと垂れる)
…昼寝にも夢魔の力が必要だというのかい?もしそうなら言ってもらわなければ分からないな。
(目の前に尻尾を差し出され、眠らされそうになっているのだと理解し寝たいわけじゃないと慌てて否定する)
(すると彼は余計理解に苦しむというような表情でこちらを見下ろしてきた)
ならなぜ君はあんなことをしたんだい?
見返りの無い行為程無意味なものはないだろう。
(無意味と言われ少し傷付くも、したかったからしたのだと伝え彼の瑠璃色の髪を撫でつける)
(けれど先ほどの様子からあまり触られるのは好きではないのかもしれないとふと思い出し手を引っ込める)
(その途中手首を掴まれ彼と目が合う。微笑みこそしてないものの、つり目の双眼から怒気は感じられない)
…そう。
(腕を少しだけ捻られ手首の内側に口づけられる)
(くすぐったさに顔を逸らすと、彼の方から小さく鼻で笑う声がした)
…少し外に出るよ。考えごとが出来たからね。
(そう言って上から降りると本当に外へと出ていってしまった)
(結局彼が何を考えていたのか分からずじまいだった…)
♂帰ってきたラピスにおかえりなさいと言う