あの子と違って僕はこの街に残る。住み心地は悪くないからね。ここに住んでいる人間の精も上質なものが多い。
けれどそうだね。君の部屋からは出ることになる。
フォスが居なくなってからここへ来るのは気が引けるから、今、最期の挨拶を済ませておこうか。
世話になったよ、君。君と居ると味気無い日々も非日常となり良い刺激となった。
君と離れるのは寂しいけれど、良い思い出が出来たことは純粋に嬉しく思っている。
…人間の一生は儚く短い。君の場合はもっと自由な発想をし、肩の荷を下ろしてゆっくり考えた方がより良いものになるだろう。
決めるのは君だけれど、もっと頼りになる相手を探して、相談に乗ってもらうんだよ。
…元気でね、君。また会える日を楽しみにしている。
("また"という言葉がしっくり来ず、本心なのかと聞き返したかったけれど、本当に会いたくなったらいつでも会えるのだからと自分に言い聞かせその場では笑顔を作って見せた)
♂お別れの挨拶に来てくれる?