(扉を叩くと、少ししてから彼が出迎えてくれた)
(微笑んではいるが、頬にはよく見なければ分からない程の細かい亀裂が走っていた)
(言及するのは酷だと思い、見なかったふりをして部屋に入る)
来客なんて初めてだから、椅子が一つしかなかったことをすっかり忘れていた。
俺はベッドの方に座るよ。
………。
……月に来たらさ、みんなに謝りたいと思っていたんだ。
ルビー、サファイヤ、グリーンダイヤモンド、ピンクトパーズ。
フォスみたく完全な状態じゃなかったとしても、もう一度話したかった。
…まさか、あんなことになっているなんて…。
…とっ、悪い。俺ばっか愚痴ってしまった。
何か話に来たんじゃないか?フォスのこととか…何でも聞くぞ?
⚫︎撫でる