名前:フォスフォフィライト

硬度119

かわいい!りりしい!

………今、なんて?


(夕方、玄関、二人きりの空間。土間で靴も脱がずに言った言葉)

(外からバイクの音や誰かの話声が聞こえるけれど、聞き取れなかったはずがない)

(俯いたまま無言でいると、頭上からため息交じりの声が聞こえた)


あー…とりあえず上がるか?


(後ろを向いて離れるお兄ちゃんに、先ほどの言葉を聞かなかったことにされたような気がして思わず袖を掴む)

(なんでいつもそうやって正面から向き合ってくれないのだろう)

(やり場のない怒りからつい指先に力が籠ってしまう)


…話は部屋でじっくり聞く。ここだと寒いだろ?風邪でも引いたら大変だ。


(指先に添えられる温かくて大きな手に刺々しくなっていた気持ちが落ち着いてくるのが分かる)

(それでも本当に聞いてくれるのだろうか。いつものようにはぐらかされてしまうのではないだろうか)

(疑心暗鬼になりながらも、惚れた弱みなのか拒否することもできず、お兄ちゃんの後ろをついていくことにした)

∞最後に一度だけでいいから思い出が欲しいの