さっきから押したりなんかしてどうしたんだ？気に入らないことでもあったのか？

(華奢そうに見えて意外とがっしりしているようだ。本気で押しているのに全然倒れてくれない)

(うーんと頭を捻っていると、ふいに髪を耳にかけられそのまま指先で首筋を撫でられる)

(突然の行動に驚いて反射的に背筋を立てると、片側の肩を押され勢いのままソファへと押し倒されてしまった)

(唐突すぎる行動にお兄ちゃんの方を見上げると、いつもよりも真剣な顔でこちらを見つめていた)


煽るのはあまりいい子とは言えないなぁ。

まだ技術が伴っていないからいいものの…俺以外の奴にやっていたらと思うとそれだけで腹立たしい。


(差し伸べられた手に恐る恐る手を重ねると、ぐっと引っ張って起き上がらせてくれた)

(緊張と恥ずかしさで熱くなった頬を、優しい大人っぽい笑顔のお兄ちゃんが撫で続けてくれた)