(天気予報を見ずに家を出たせいで傘を持たないまま雨に降られてしまい制服が思いっきり濡れてしまった。ぺたりと肌に吸い付く感覚にタオルで軽く拭いてみるが、小さなハンドタオルではあまり意味がなかった)

(このまま教室に行くのは気が引ける…どうしたものかと突っ立っていると後ろにぐいっと手を引かれ、振り返った先にいたのは何処か不機嫌そうな及川だった)


〜〜ッ!!ちょっとこっち!

(連れて来られた空き教室。ぶるりと身震いしたのを彼は見逃すはずもなく)

寒い?ったく、ずっとそのままで居たら風邪引くよ!いつからあそこでボーッとしてたわけ!?…気づいてないか知らないけど服透けてるから!他の野郎が見てたかもしれないと思うとほんっとムカつく!!

外出てるからこれとこれに着替えておいで。終わったら呼んでね。わかった?…ん、いいこ。

(部活で使うはずだったらしい練習着とジャージを手渡してそのまま出て行った)
(濡れた制服を脱いで着替えるといつも及川から感じる匂いがふわりと鼻を掠めて何だか変に意識してドキドキしてしまった)
雨で服が透ける