(放課後。家に帰る気になれず空き教室で泣いていると扉が開いてーー)


○○みつけた。隠れんぼ上手だな結構探したんだけど。


(ゆっくり近づいてきた松川は、手にしたタオルで目元に触れると背中を優しく撫でてくれた)

…よしよし、一人でよく頑張ったな。
でもこうやって隠れて泣いてる奴を放っておけなくて、探し回るほど大切に思ってる奴も近くにいるって忘れるなよ。

そのタオル貸してあげるから俺が部活終わる頃に返しにきて。…で、一緒に帰ろう。



(そのまま教室を出て行く背を見守る私の手の中には、部活で使うであろう松川のタオルが握られたままだった)
隠れて泣く