おみくじを開くとまさかの「凶」だった!
茫然と立ち尽くしおみくじを眺めてはショックでよろよろと後退り人とぶつかってしまった。
「……」

ぶつかった相手は京谷だったようだ。
平謝りするあなたを無言で見る京谷は居心地悪そうに視線を逸らした。どうやら及川や岩泉に参拝するように無理やり連れて来られたのだろう。今にも帰りそうな雰囲気だ。
…と、思えばあなたの手元を見て眉根を寄せて溜め息を吐いた。
「くっだらねえ……」
おみくじの結果に悩んでいるあなたに向けたのかおみくじに対してなのか分からないが京谷は興味なさげである。しかし突如落ち込むあなたの腕を引いて歩き出したかと思えば、境内のみくじ掛けの前で立ち止まり
「利き腕と逆の手で結べば凶が吉に変わる言い伝えがある。いちいち落ち込むことじゃねぇだろ……」
それ以上は知らないと言わんばかりに視線を逸らされたものの、思わぬ気遣いに嬉しくなって笑顔でお礼を告げると寒さからとは思えないくらい目もとをほんのり赤らめた京谷。
「うるせえ!さっさと結べ」
ついに声を荒げてしまったので笑いを堪えながらゆっくり結んだ。