青葉城西高校へ入学した私と及川と岩泉。



及川の様子といえばバレーへの向き合い方も苦い経験をしたからこそ無茶をしなくなって直向きに楽しんでいるようで安心した。そして特に変わったのは周りの反応だった。


華やかなセットアップやルックスも相俟って及川目当てに部活の見学へやって来る女の子の数が中学時代の比べ物にならないくらい一気に増えて、岩泉がよく苛立ったように顔を顰めている。


何だか急に遠くに行ってしまったような、及川が知らない人に見えてしまう疎外感に悩まされる日々が続き やがて私はひっそり及川と距離を置くようになった。
距離を置くといってもクラスはもともと違うし部活の見学に行かないくらいで連絡は取り合っていたから大して変わらないのだけれど…時折何か言いたげな岩泉からの視線を感じるくらいで及川から怪しまれる事はなかった。





それから暫くして及川に彼女が出来た、という噂を耳にするようになる。

★高校時代…1