(部活中も監督からオーバーワークについて注意されている所を見かけたけれど……)
(チラッと時計を見遣りそろそろ見回りの先生が来る時間だった。気づいていないのかカゴから再びボールを手にする及川。まだ練習をやめる気配はないしサーブの打ち方も段々雑になっている気がする。続けても練習にならないのは火を見るよりも明らかだ)
(お節介かもしれないけれど勇気を出して「そろそろ先生くるよ」と声をかけてみることに)
及川「……っ、わかってる。でも…あと10本だけ」
(裾で汗を拭い再びボールを弾ませた及川の背中に岩泉の蹴りが綺麗に決まった)

及川「いったあッ!!」
岩泉「○○の言うとおり先生きちまうからさっさと片して着替えろこのボゲがッ!!!このまま無理に続けたって膝も腕も壊すだけだ!ちったぁ考えろボケ」
及川「〜〜っ」
岩泉「暗くなってきたから3人で帰るぞ。○○は靴はいて待ってろ後から行く。あぶねーから外には出るんじゃねぇぞ」
(軽く頭を撫でて岩泉は及川を引っ張りながらボールを片付けていった。その光景に肩の力が抜けてじわりと少し涙で滲んだ)