(肩を掴んできたのは木兎だった)
赤葦、悪いけどあっち行って。今の俺お前にヘンなこと言っちゃいそうだし。
(ぴり、とした空気に赤葦も問いかけるような真似はせず会釈して黙って離れて行った)
(それを見届けたあと木兎がようやく口を開く)
やっと目ェ見てちゃんと話せたな!今日忙しそうだったもんな〜…まあそれはいいや、そこは然程気にしてない。そこは問題じゃねーよ。
でもさー○○ちゃん。話せる状況になったら一番に俺に話しかけてよ。なんで赤葦と仲良く話しちゃうかな。俺がずっと話したいの知ってたクセに。ほっといて平気とか赤葦なら大丈夫とか思った?
俺そんな“待て”ができる利口な犬じゃねぇよ。あんまりほっとくとそのうち
……噛みつくかもしんないよ。
(そ、と耳元に唇を寄せてきた木兎は、本当に噛みつくのではないかと思わせてくるような何かがあった。
身体が強張り蚊の鳴くような声でごめん…としか言えなかったが、それきり普段通りの明るい声音に戻って笑顔を見せた木兎に、これならしょぼくれモードの方がマシだと実感した)
○忙しさから一日木兎を構わない4