(晩ごはんを済ませて部屋でゆっくりしていると侑から面白い動物の写真、といつものように特に内容のないメッセージが来た。返事をする指を離して代わりに通話ボタンを押して電話をかけてみる)

(プルルル………3コールで「はいい!?」と驚いたような第一声で侑が出た。電話は珍しいので動揺しているらしい。一応怪しまれないように部活の連絡という事にしておいた)


侑:……なんやビックリした…は、いや、部活のグループチャットに特に何もあがってないやん…じゃないですか。一体なんの連絡なん……です、か。へ?べ、べべべつに動揺してへん!!嬉しいワケあるか!…ですわ。ははは!



(かなり動揺した様子でヘンテコな敬語混じりの言葉が続いて吹き出してしまう。唸り声をあげたかと思えば観念したように話し出した)


侑:…嬉しいやんか。だって、いつもメッセージのやり取りしかしてへんし。こうやって家帰って顔見られないのに声聞けるとか。なんのご褒美!?ってなるやん。…焦るやろ。…あーっ、はっず!!


(侑の素直さに感化されて部活の連絡は嘘で、侑の声が聞きたくて電話かけたのだと告げる。すると一瞬シン…と静まり返り)

侑:はぁあぁぁ!!?なっ…はぁぁ!?

(鼓膜が破れるかと思うくらい馬鹿でかい声にスマホを一度離した)


侑:…ホンマに○○さんか!?ドッキリちゃう!?声聞きたいとかそんなん…か、彼氏に言うセリフやろ。え、俺ら気付かん内に恋人同士…??…てかそんな可愛いこと電話で言うなや……会いたなるやん……。


治:(ガチャッ)ツム〜次風呂。…なんや電話中か。


侑:やべっ…(ゴトッ)○○さんすいません場所移すんでちょっと待っといてもらってもええですか。切らんと!待ってな?切らんといてな?な?


治:は?…おい。相手○○さんか!?お前抜け駆けすんなや。ちょ、どこ行くねん待て。


侑:なんで待たなアカンねん!俺と○○さんの電話邪魔すんなや!


治:邪魔するに決まってるやん。


侑:あぁ?ちょ、触んな!……(ブツッ…)

(結局通話が切れてしまったので、そのまま電話を終える事にした。その頃、取っ組み合いになった腕が運悪く当たり通話が切れてしまい暗くなった画面を見て崩れ落ちた侑を愉快そうに笑う治がいたとか)
△部活の連絡を建前に侑に電話する