おった。
(後ろを振り返ると治の姿があって、そのまま隣りに並んだ)
この人ら知り合いですか?…え、初めて会うたって…そんな事より○○さんけーへんしツムも北さんも心配してましたよ。前の試合どんなもんっスか、もう終わりそうやったら戻りましょ。
(グイグイと背中を押されて男子生徒たちの輪から一気に遠ざけられた。これ幸いと早歩きで会場へ向かうが一緒に戻るとばかり思っていた治がなかなか隣りにやって来ない。不思議に思って立ち止まると、ようやく遅れて治がやって来た)

──…すんません、待っとってくれたんすか。いやちょっと
野暮用を思い出したんで済ませてました。
アイツらに連絡先きかれてましたね。知らんフリしてたけどホンマは全部聞こえとったんですよ。最初から俺も一緒に行ったらよかった。………。
アイツら○○さんに近づきすぎや、思い出したらなんや腹立ってきた。
…ムカムカおさまらんからギューしてもええですか。え、あかんの?じゃあ手握ってもええですか。○○さんの手小さくて可愛らしなぁ……顔赤いで。
(からかわれながら治と一緒に手を繋いで会場へ向かった)