(女の子も立ち去った後。暫くしてその場から離れて校門を出ると、後ろからグイッと手を引かれた。振り返るとにやっと笑った黒尾の姿)
○○のエッチ〜盗み聞きとはいい度胸してんな。
(隠れていたのにバレていたらしい。ぎくり、と肩を震わすあなたに喉奥をくつくつ鳴らして笑いながらポンポンと頭を叩かれた)
(「黒尾に好きな人がいたなんて知らなかった」そう告げれば微苦笑を浮かべて前を向いた黒尾)
お前と恋バナした事ないし“知らなかった”っていうのは当たり前なんじゃないの。誰にも言うつもりないし。あー…研磨とか海あたりは鋭いから気づいてんのかねぇ。
先に言っとくけど、内緒にするから相手誰か教えてって言うなよ。何で分かったのかって?お前が言いそうな事なんてすぐ分かるって。
じゃあ特別にヒントやるよ。
俺さ、好きな子には特別優しくしたい派なんだよね。いつも誰にでも優しいって?さっきの子には優しくなかっただろ。……さ、帰るぞー。
(前に「
クロは頼もしいね」と言った時の返事が頭を過って…今の黒尾の答えと照らし合わせてみる。いや、まさか……と頭を振りながら前を歩く黒尾の隣りに並んだ)