ホワイトデー当日

俺はめぐみんと街から少し離れたところにある湖で、1日1爆裂をしていた


「エクスプロージョンッ!!」


爆裂魔法が炸裂した湖では、巨大な水柱が上がり、その後には綺麗な虹が出来ていた


「どうですか今のは?

何点でしょうか?」


「そうだね、水柱は巨大だが、若干端は形が崩れかかっていた

これは、爆裂魔法のエネルギーが僅かにまとまりきれていない証拠

ただ、威力とその後の景観は申し分ない、95点!」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」


こんな採点もした帰り道、いつもどおりめぐみんをおぶり、他愛もない話をしながら、街まで歩いていく途中で・・・


「あの、めぐみん」

「はい、何でしょうか改まって」

「ええと・・・今日、ホワイトデーでしょ

だから、これ、どうぞ」


俺はポケットに忍ばせておいたペンダントをめぐみんに肩越しに手渡す


「わあ!綺麗なペンダントですね!

それに、強い魔力を感じますよ!」


「うん、それは身に着けていると魔力が上がるアクセサリーみたいだよ」

「へええ・・・!これを、私にくれるのですか?」

「うん、どうぞ」

「本当にいいのですか?高かったでしょう?」

「まぁ、手に入れるのに色々あったけど、気にしなくていいよ」

「色々?

それはもしかして、先日ウチの屋敷で起きたアクアとバニルによる大戦争に関わりあることですかね?」


「い、いや!それはよくわからないなぁ!」


あのアクアという女性、そういえばそうだ

めぐみんと同じ屋敷に住んでいる女性だ

そうか、あの人だったか・・・


「そうですか、いきなり真昼間からバニルがアクアの部屋へ魔法をぶっ放したところからスタートし、何か言い争いしながら滅茶苦茶に暴れまわりまして・・・

おかげで屋敷が半壊し、今、修繕中なのです」


「そ、そうなのか

それは大変だったな・・・」

「あ、すみません、こちらの話をしてしまって

ペンダント、ありがとうございます!

とっても嬉しいです!

一生の宝物にしますね!!」


「良かった、頑張って取って来た甲斐があったよ」

「えへへ!

あなたからもらった初めての物ですから!

・・・別に、何でもいいですからね!

こんな高価な物じゃなくても、いいですからね」


「おや?

それは今後、もっと高いものを寄越せというフリですか?」

「ち、違います!本当に高価な物じゃなくていいですから!」


めぐみんは強い口調で否定し、しがみつく手の力が少し強まり、そして、俺の耳元で囁いた


「あの・・・本当に、嬉しいです

ありがとうございます・・・♪」


「あ、あぁ!よかったよかった!」


改めて礼を言われた俺は緊張し、若干声が上ずった

それをめぐみんがくすくすと笑い、二人で和やかに話しながら街へ帰った



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