やはり、この世界にもあったか、忌々しいバレンタインデー・・・
この世の勝者と敗者が決定的に決まる日
これほど嫌な日はない・・・
そう考えているうちに、ゆんゆんが話を続ける
「ということで、今回の勝負は、どちらがより美味しい!と言わせるチョコを作れるか、よ!」
「ふむ・・・いいでしょう、それで、審査はどなたに依頼するのですか?」
「それは・・・あ、ど、どうしよう、考えてなかった・・・」
紅魔族は知能が高いと聞いたが、このゆんゆんという子は少し例外らしい
めぐみんが若干呆れた様子で
「はぁ、そんなことも考えていなかったとは、お粗末ですね」
「うう・・・」
「それでは、こうしましょう、今こちらにおられる冒険者さんに、審査してもらうというのは、どうですか?」
「この冒険者さん・・・?めぐみんの知り合いよね?
ねぇあなた、めぐみんと知り合いだからって、ひいきはしないわよね?」
「しないしない!
というか、知り合ったのもついこないだからで、なぜかよく爆裂魔法を撃ちにいくから付き添えと言われ、
仕方なくついていってるまででして・・・」
「あぁ・・・なるほど、大体察したわ
なら、大丈夫ね」
なんだか可哀想な物を見る目で見られたのが気になるが、事実だ・・・
「じゃ、この冒険者さんが審査員で異論はないわ」
「それでは、早速勝負といきましょうか、あなたはここで待っててくださいね」
「分かった、そのあたりの椅子に腰かけて待ってるよ」
「よーし!今度こそ私が勝つわよ!」
二人は意気込んで、それぞれ町の中へ戻っていった次へ