名前: 雷電 影
所属国:稲妻
〜説明〜
稲妻を統治する全能の将軍であり雷神バアル。戦いを得意とする彼女は武芸を極めており、稲妻に伝わる薙刀術や剣術、刀剣の鍛造技術はいずれも彼女が開祖となっている。
そんな彼女の振るう無想の一太刀は稲妻の地に今なお消えぬ傷跡を残し、無想刃狭間として雷元素の影響を強く残している。
なお、肉体は既に捨てており現在の体は人形である。普段は永遠を求める為に作った将軍の意志を憑依させているが、必要な時は自身の意識を将軍の体に移し対話や戦闘を行なっている。
〜人物〜
将軍は厳粛で規律を重んじる性格に対し、本体である影は柔和で温和な話し方が特徴。
食の好みも異なり、将軍は身体の維持に必要な栄養が取れれば問題ないと考えるのに対し、影はそんな将軍の言うことは無視して私の大好物は甘味です!と言い切るほどの甘党。甘いものが好きかと問われれば元気の良い返事が聞ける。
その甘味への執着は強く、もし虫歯になっても取り換えれば良いと言うほど目がなく、夜に甘いものを食べるのも将軍の特権。
やや武芸マニアな節もあり、もう一度自分の一太刀を受けてみないか?と提案してくる他、武芸の精進はどうしてこうも人を惹きつけるのか…と想いを馳せたりしている。
また影には意外とわがままな一面もあり、神の目を返却した者たちへの謝罪に関しては、自分にまったく責任がなくもないと濁しつつ、でも謝るなら将軍が謝るべきじゃないか。と人形である将軍に責任を押しつけていた。
また旅人に危機が迫ればこの将軍を前に突き出して盾にしてもいいと言っており、将軍の扱いはおざなり。
全能の将軍と呼ばれながらも実は料理が下手で、不味い以前にあまりにも下手すぎてそもそも作れない。
〜旅人との出来事〜
旅人と城下町を訪れた際は自分のことを影と呼ぶように促し、一緒に八重堂の娯楽小説を読んだり新商品の甘味を食べたり写真撮影をして楽しんだ。
しかし娯楽小説のやたらと長いタイトルや設定が気になり内容を理解出来なかったり、気に入った甘味を全て社奉行に買取らせようとしたり、カメラの存在を知らず写真に写る自分に動いたり喋ったりはしませんね?と尋ねるなど結構な世間知らずな素顔が垣間見れた。
また、語り合わずとも旅人とは一緒にいるだけで心が穏やかになる感情を抱いている。
手合わせに誘う時も断られたらどうしようかと迷い将軍のフリをして話し掛けるなど四苦八苦する姿も。
旅人に向けて手紙を書こうとした際は結局困り果てて八重神子に代筆をお願いしたりと案外全能とは程遠い様子を見せる。
〜経歴〜
雷神バアルは双子の魔神であった。元々は姉・雷電眞が初代の雷神バアルだったが、500年前の厄災とも呼ばれる大戦にて戦死。眞の影武者であった影が雷神となり現在に至る。
「影武者」と言っても戦いが苦手な姉・眞にに代わり戦場に出ることが役目であり、姉の眞は内政を務めることで国を統治していたため、二人で一つの神として成り立っていたとも言える。
そんな自身の半身とも言える姉の死に駆け付けた時だった。神が不在となった隙を突かれ稲妻に異界の侵略者が現れた。
この窮地を防いだのが影の親友でもあり、姉の眷属でもある鳴神大社の前宮司、狐斎宮だった。
狐斎宮は当時まだ幼かった八重神子に宮司を継がせると稲妻を守るために姿を消した。暗黒の獣を退けられたが、狐斎宮が戻ることはなかった。
本来、雷神バアルは今ある一瞬の変化を愛する優しい人物だったが、進むほどに多くを失い、願いを持つものから死んでいく。そんな現実を目の当たりにした彼女は次第に「永遠」を求め始め・・・
〜思い出〜
まだ姉が将軍を務めていた時代。姉の眞に変わり戦いや殺戮を請け負う影だったが、時には友人と桜の木の下で穏やかな時間を楽しむこともあった。
ある日、狐斎宮様が景品を用意した遊戯の大会があった。その日の為に影は日夜、かるたや詩歌に心血を注ぎ、自ら眞や神輿千代に勝負を挑んだり、月明かりに照らされながら一人で詩歌を詠んだりもした。
そして大会当日。影はこれまでの努力を出し切りその日の勝者となった。
影は思わず歓喜し両手を上げて喜んだが、そんな影の姿を見た友人たちの笑い声が聞こえてはっとし、いつもの冷淡な表情を取り戻す。
決して彼女たちが自分の姿を見て嘲笑ったわけではないことは分かっている。ただ影をよく知るみんなはきっとこの日の為に、影は努力してきたのだろうと思ったのだった。
狐斎宮「褒美と言っても妾が作った菓子に過ぎぬ。まさか影がそこまで喜ぶとは。ならば、この勝者だけが手にできる褒美をじっくりと味わうがよい…♪」
当時の宮司である狐斎宮様にも茶化される。影は決してお菓子が欲しかった訳ではない。ただ武人として、研鑽を積み勝利を勝ち取ることへの誉れがほしかったのだ。
ただ、狐斎宮様の作る甘味は・・・再び影を無意識のうちに微笑ませるには充分だった。
そんな笑顔を隠そうとする不器用な彼女の姿を見てまた友人たちも笑みをこぼす。そんな日常がかつてはあった。
「───次に会った時、きっと笑われてしまいます…であれば先手必勝、先に 彼女 に一太刀浴びせるとしましょう。どうせ彼女なら躱せますし…」
雷電影について