………(スパン!)

……。……ふぅ…



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兵:(おぉ…、九条裟羅様は一人残って鍛錬を続けておられたのか…!

しめしめ、今ここで俺も修行を始めれば裟羅様直々に指導して貰えるだろう…。そうなれば・・・


ああ、しかし美しい…。いざ面と向かうとあの冷徹な振る舞いに気圧されてしまうが…

こうして眺めている分には…。顔もいい、それになりより・・・あの体よ…。あ〜、見てるだけでたまんねぇなぁ…


…ん?なんだ?誰か来たぞ…?えーっと。確かあいつは…

旅人だったか?ふん、異国の旅人が邪魔しやがって…よそ者が裟羅様に一体なんのようなんだ。


そらみろ、裟羅様も弓の稽古の手を止めてしまったじゃないか。

プッ、何か話しだと思ったがすぐに追い出されてやがる。

当然だ。養子とはいえ、裟羅様は由緒あるお家のお方だ。お前みたいな異邦人なんぞ釣り合わん。


よし、今行けば裟羅様と二人きりに…。あれ?裟羅様もすぐに支度をして出ていってしまったぞ。そ、そんなまさか・・・あの旅人、いったい裟羅様に何を言ったんだ?



裟羅バレンタイン番外編2