おおっと…♪ それともう一つ大事なものを忘れておった。手紙じゃ手紙(この場合恋文にあたるがのう♪)


モンドやフォンテーヌには詩人や歌劇家が多かろう?故に言葉だけではなく、文字でも想いを伝えるのじゃ。物、言葉、文字の三つを駆使するのがバレンタインじゃからのう〜

手紙…ですか。

畏まった文なら仕事で書きますが私情での手紙は…。

そうだ、時に宮司様。宮司様は以前、将軍様の生誕日に旅人へ宛てた手紙を代筆したことがあったと聞きます。



なんじゃ?妾に代筆を願うのか?


いえ、手紙には直接私が書きます。しかし、私では適切な語彙を選べず果たし状のようになってしまうかも…。

私の想いを伝えるので適した言葉にしていただけないでしょうか?



おお〜、それは妙案じゃなぁ。妾に任せるとよい♪


それで伝えたい言葉とは・・・?


…ふむふむ。『この先の歩む道も永く共にありたい』と?

うむうむ…。『いついかなる時もその存在を忘れたことはなく、常に想いを胸に秘めている』と。

…そこは今言ったまま書けばよい。


それで・・・『生涯を共にするにあたり、異文化の意思伝達の手法も取り入れ己の気持ちを表明したい』か・・・そこは少しお堅すぎるのう。

もうちっと砕けてよい。心配は無用じゃ。そもそも親しい間柄に贈るのじゃ、多少の無礼謹慎を逐次咎めるほど器量が狭いと思うか?


それは確かに…。もし私が受け取り手であれば・・・幾らか不躾な文言があったとしても不問にするでしょう。ましてや…相手は・・・


よう分かっておるではないか♪ であれば?


「あなたのことが好きです」…でいかがでしょう?


うむ、その通りじゃ♪ その言葉とて好意の現れ、なんら恐るる必要はない


流石は八重宮司様です。時と場に馴染んだ語彙を選べる柔軟性。宮司様に依頼し正解でした。


(ふふ、そのまんま恋文そのものようの〜♪)

そうじゃ、あなたと書いておるところも一部は名前に変えてしまえばより親密に想いが伝わるぞ♪


なるほど…確かにこの呼び名では他人行儀すぎる。

では・・・『旅人…』



は?
裟羅バレンタイン前日譚3